古生物

 榎本香菜子の『最後の個体』の画像の鳥を見ていたら、そうか、恐竜は六千五百万年前に絶滅したのでなくて、今、現在、鳥という姿で生き延びているのだ。
 それが、古生物学の通説らしいですね。河合信和の『ネアンデルタールと現代人』によると、

/鳥類は、今から一億数千年前に肉食恐竜の一部から進化した。私たちのイメージする恐竜の絶滅後も、鳥は生き残り、大空という新しいニッチ(生態的地位)に進出し、繁栄できた。その最大の特徴は、飛翔力、つまり羽の獲得である。ところが羽を構成する羽毛は、実は飛ぶこととまったく無関係に進化したものなのだ。/事実、羽毛を持った太古の恐竜の化石―中国竜鳥や尾羽鳥―が、中国で次々と発掘されているが、彼らはまったく飛べなかった。古生物学者の見るところ、恐竜の鱗が体温を保ったために羽毛に進化し、それが長い時間の間に飛翔力を生む仕組みへと進化したのだという。》-p140-

 ヒトとチンプとの分岐点(ミッシング・リンク)・五百万年前説を著者は採用している。鳥の一億と比べると、短いですね。この絵を見ると、色々考えてしまう。
ヒトの500万年史 ネアンデルタールと現代人 (文春新書)生命40億年全史ミトコンドリアはどこからきたか 生命40億年を遡る (NHKブックス)恐竜が動きだす―デジタル古生物学入門 (中公新書ラクレ)恐龍が飛んだ日―尺度不変性と自己相似 (ちくま文庫)
梅田のカッパ横丁の古本街で、『ネアンデルタールと現代人』って言う奇妙な新書を見つけました。蛍光ペン、鉛筆の書き込みが沢山あり、辟易しましたが、扉の裏側に日経新聞の記事が貼り付けてあったのです。(9/13)

 
=現代人とネアンデルタール人/数千年間は共存/発見の骨/測定で判明= 【ワシントン25日・共同】クロチアの洞くつからみつかったネアンデルタール人の骨を年代測定した結果、骨は今から約二万八千年前のものと分かった、米ノーザンイリノイ大のフレッド・スミス博士らが二十六日付の米科学アカデミー紀要に発表した。/従来、ネアンデルタール人は約三万四千年前に絶滅したと考えられていた。クロチア付近には約三万二千年前に現代人が広がったことがわかっており、今回の測定結果は、現代人とネアンデルタール人が数千年間も共存していたことを示している。/同博士らは、長い共存期間から、一部では混血も起きていたとみている。[……]ー1999年10月26日の日本経済新聞

『クレーターのほとりで』を読んで、そんな混血のことを考えていたためか、偶然とは言え、こんな新聞の切り抜きを発見するとは、驚きです。勿論、買いました。320円です。梅田ブックファーストでジョルジュ・アガンベンの新刊『開かれて 人間と動物』(平凡社)を購入。第一章が動物人(テロモルフオ)です。ネアンデルタールは人?
 そんな想像力で青木淳悟新潮新人賞受賞第一作を読んでみました。