京阪電車で60年代を行く

 今日は、京阪電車を行ったり、来たりしました。=京都恵文社一乗寺店・ギャラリーアンフェール=で、鴨居羊子の世界ーミス・ペテンー展が開かれました。細江英公鴨居羊子手作りの人形をモデルに撮った写真も展示されていました。『鴨居羊子コレクション(全3巻)』発刊を記念した展示でもあるのです。『女は下着でつくられる』1958年)という自主制作映画を撮ったり、下着屋“チュニック”を立ち上げ、昭和30年代の大阪の風俗をチッチャな布切れで勝負したのです。男女を越えて、『下着の鴨居羊子』は不動のものとなったのですが、あの世に去ってしまいました。今、鴨居羊子を受け継ぐ人は誰なんでしょうか?この業界に疎いぼくは、それでも、ちょいと気になったのは知人が昔、鴨居さんに弟子入りしたと聞いたことがあったからです。
 そんな来し方を思いながら、展覧会を楽しみました。恵文社は本屋なんですが、ワンフロアーの中にギャラリーもあり、ぼくの興味のある本がセレクトされているので、目移りして、買わないでおくのに苦労しました。途中、図書館に寄って、バックの中は本でパンパンだったのです。
 本の装丁を初めとしたアート関係も多いが、新刊書だけでなく、例えば、山口瞳洋酒天国を置いてみたり、柳原良平の手作りの作品を小物を含めて展示即売しているし、茂木健一郎の新刊『脳と仮想』(新潮社)も平積み。田中小実昌の文庫がずらりと平積みされているのには驚きました。アガンベンや、ホッパー、フーコーウィトゲンシュタインなど思想系も充実、詩集もサブカルも、漫画も、映画、芸談も、とに角、このブログで紹介した本は全部、がっちり、噛み合っているのです。勿論、保坂和志古井由吉も…、
 かっての六本木ABCに充分対抗しえます。こちらの凄いところは、六本木というブランドストリートでなく、何の変哲もない、むしろ寂れた商店街に一軒、特化して店構えして、堂々と、都心の一等地の専門店に凌駕する本屋をつくったという、出来たという不思議さです。京都という町の懐の大きさ深さを改めて感じ入りました。宣伝ちらし、カードも楽しいもので、フリーでもらって、情報収集に資しても良い。ホビー、CDなども面白い。店舗のレイアウトも照明の効果も計算されて、新刊の中に紛れている古書が品格のある佇まいを見せ、本好きの人には是非、京都に行ったおりは、観光地めぐりのスポットとして加えて欲しいと思います。近くに京都造形美術大学があるので、そこの学生が多いみたいです。
 それから、出町柳に出て、又、京阪に乗り、守口に行きました。“守口・門真ジャズフェスティバル2004”が開催されていたのです。京阪百貨店2階前とカナディアンスクエアーでの演奏をちょいと聴きました。
⇒♪〓Book cafe〓♪さんのブログに恵文社一乗寺店=の写真と紹介記事がありました