レヴィナス/ラカン/ゴダール/内田樹/アジールな場で=知から欲望へ=

レヴィナスと愛の現象学エクリ 1JLG / 自画像 [DVD]他者と死者―ラカンによるレヴィナス
量販店のポイント還元でDVD『JLG/自画像』を購入しました。レンタルをもっぱらにするので、たぶん、レンタル屋さんには置いていないと思ってカードを使ったのです。去年手に入れたのに、今日、やっと封を切ったのです。どうせ、難解だと思い、今度、今度と思いつつ、パスしてのです。レンタルでしたら、返却期限があるので、自ら縛りをかけてみてしまう。そして、これまた、去年から持ち越しの、Pさんから借りた内田樹『他者と死者』(海鳥社)をやっと開いたところなんです。
本文の第一章は=知から欲望=ですが、初っ端から[1]難解とはどういうことか?で、レヴィナスラカンがあえて「何が言いたいのか分からないように書く」のは、彼らの側に「言いたいことがある」というよりはむしろ、読者に「何かをさせるためである。」と内田さんは書いているのですが、それで、このDVDのことを思い出して観始めたのです。

レヴィナスラカン、この二人の思想家は、その固有の概念の定義や、考え方を読者と共有するために書いているのではない。そうでなくて、読み手に、「ことばの意味」ではなく、「書き手への欲望」に照準する読みを開始するために書いている。彼らは読者に「知から欲望へ」へのシフトを要請しているのである。-33、34頁-

成程、ゴダールの映画を観る場合は「ゴダールに欲望」しなくてはゴダール映画を鑑賞出来ないのであろう。惚れることが前提なのであろう。レヴィナスラカンゴダールの手管に自ら身をさらせて、「師」としてリスペクトする身振りから読むこと、観ることを要請されるのであろう。
そういう覚悟のある人はこの映画をオススメしますが、そんな、格好良く語りすぎるゴダールの自画像なんて、いやだよ、ゴダールトリックで誑し込められたくないよ、と言う方は観ない方が賢明です。一応、予告編の見えるHP『JLG/自画像』を御覧下さい。このDVDにはおまけとして40分も蓮実重彦浅田彰トークが収録されています。その抜粋もロム出来ます。
『蓮実重彦トークイベント抜粋レジュメ』
『浅田彰トークイベント抜粋レジュメ』