大衆の侮蔑♪64、ムシ、むし
- 作者: ペータースローターダイク,Peter Sloterdijk,仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 御茶の水書房
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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「『大衆』とは、基本的に何ら“特別なもの”を持たない「平等者=同一者たち」の集合体である。『大衆』を構成する各粒子の間には自然な「差異」はなく、人為的に創出された『区別』があるだけである」。彼らは決して、自分たちよりも“高貴”なものの存在を認めない。『大衆』は、全ての「貴族」を自分(たち)の水準にまで引き下げ、自分の目線に合わせて“全て”を平準化(=同一化)しようとする。〜一部略〜平凡で、庶民的なものこそ大衆社会で目立つのである」
石川忠司の『現代小説のレッスン』(講談社現代新書)が発売されたんですね、≪陸這記≫の仲俣さんの記事はそそります。読みたいです。
この本は『ポスト・ムラカミの日本文学』以後の仕事のなかで、ぼくが考え落としていたり、考えることができずにいた広大な領域があることを教えてくれる。保坂和志の小説がめざしている「共同性の回復」をさして、「男子が一生をかけて追究するに足る切実な問いであろう」と書いているのは、石川さん自身の決意でもあるだろう。
他者を素直にリスペクトするアンテナは大切にしたいと思います。それは勿論、自分より高貴なものを受信する感受性が前提にあります。