フーテン・カラス

 淀川沿いのH市でのゴミ減量推進大会に出席。そして、廃棄物減量等推進員の腕章まで頂戴し、市長から依頼書が出席者全員に配布。身分は?ボランティアだって。
 永島慎二がお亡くなりになったんですね、あの長嶋さんでなくナガシマさんと聴くと、もうひとりのナガシマさんをいつも思い出していたと言うH市の出身らしい?『古本道場』岡崎武志氏の“okatake日記”によると、「COM」連載の『フーテン』を読みたさに、千林商店街の「川端書店」で揃え購入したエピソードを書いている。ナガシマさんの一枚の新宿の「絵」がokatakeさんの上京の強い思いを後押しした刷り込みの一つになってなっているらしい。
1997年、okatakeさんは永島慎二にインタビューする。永島さんって、つげ義春と同年(1938年生)ですね、同棲時代の故上村一夫は1940年生まれ、僕より皆さん年上ですが、リアルタイムでの接点はないですね。辛うじて寺山修司なら接点がある。それでも、僕より年下の方が寺山修司を支えていた。団塊の世代、今の40代、50代の少年、少女時代にとって「家出のすすめ」、「フーテン」、「新宿」…、は格好の良いキーワードであったのでしょう。
ひとりのアメリカ国籍の少年にとっても「新宿」は特別の街であった。リービ英雄の『星条旗の聞こえない部屋』はそんな小説でした。1968年は世界が繫がり共振していた。パリ、西海岸と…、
古本道場フーテン(文庫版) [マーケットプレイス コミックセット]星条旗の聞こえない部屋 (講談社文芸文庫)八咫烏の軌跡―W杯と日本サッカーの1460日
 市の業務室長が川沿いに清掃工場があってそこでのカラスとのバトルについて話をしたのですが、カラスって勝手に処分が出来ないのです。鳥獣保護法に守られて、大阪府に申請して許可をもらわなくてはいけない。今年は年間200羽処分OK!だとのこと。でも、室長の話が面白かったのは、カラスってステータスの高い鳥なんです。古事記にも登場すると、カラス講義が始りました。一夫一婦制で孤高の鳥だと、サッカー日本代表のシンボルマークが【八咫烏(ヤタカラス)】で三本足です。今のカラスはニホン足ですね、一本は犬にあげたのですって、古事記の時代には犬も三本足だったらしい。歩きにくいですね、カラスは鳥だから、二本足でも不自由がない。それで優しいカラスは犬に足を一本贈呈。
 その名残か、犬がおしっこをするとき、後ろ足をあげて三本足でシャーとしますね。それが証拠ですと室長は言うのです。メス犬はどうでした?
 ヤタカラスってフーテンではありませんか、かって、ヤタカラスもフーテンもリスペクトされていました。長髪で薄汚く、匂いまでただよっていた「フーテン」は「君の瞳は一万ボルト」の女の子にモテモテだったんですよ。信じられませんか?そのヤタカラスもフーテンも単なる幻想が剥ぎ取られたカラス、ホームレスになってしまいました。
 そうそう、古雑誌、古本のゴミ出しは一般ゴミとして出さないで、地域の集団回収に回すように心がけましょう。そうすれば、古紙回収業者の手元に行き、立て場から市に行き、古本屋の店頭で欲しい人の手に渡ります。新中古書店に直に持っていくのも手ですが、彼らの目利き判断は古本屋の目利きと全く違いますからね…。
 だから、逆に掘り出し物があり、セドリをする連中にとって「ブ」は美味しい場所でもあるわけですが…。
処分された200羽のカラス、ナガシマさん、合掌。