禁煙より禁酒?

◆下のエントリーで「禁煙問題」に触れましたが、やはり皆さん関心をお持ちなのか、他の掲示板でも色々やりとりされている。そこで「煙草より飲酒」の方が実際の被害の方が大きいのではないかと言う雑誌『談』の編集者ブログの問題提議は「煙草を吸わない、酒も呑まなくとも平気」な僕にとって首肯できることが多々ありました。
参照:雑誌『談』編集長によるBlog : 理不尽きわまりない「禁煙ファシズム」の猛威
雑誌『談』編集長によるBlog : 分子的力能としてのファシズム
◆東京でのアパート暮らしの頃、隣の元高校の漢文の教師だったと言う老人はヘビースモーカーで酒毒者。煙草の方は別段被害はないのですが、酒が入るとがらりと変わる。隣の部屋で声高に見えない誰かを想定して「自己対話」を繰り返す。時には怒鳴る。まあ、部屋内においてそのようなパフォーマンスをするのでしたら、こちらも我慢出来るのですが、近くの銭湯に行こうとドアを開け、二階から降りて、路地に出た時を見計らってなのか、突然、アパートの部屋からお爺さんが飛び出して近所中に響くような大声で「この野郎!うるせぇ!」(自分の方が余程うるさいのですが)、さすがの僕も背中に罵倒を受けて振り返り、どなり返したが、あまりにも素面のときと呑んでいる時の落差に戸惑いました。アパートの軒先に見事な鉢植えで季節の花を咲かせる大人しい優しい爺でもあったのです。ここに公開できない色々なトラブルがあり、徐々にお爺さんとの関係を良い方に構築して行きました。本がきっかけだったのです。お爺さんはある日、生ビールの大きいやつを持って、僕の部屋を訪れ、本棚を見渡しながら、「君ともっと早く知り合うべきだった」と嘆いて見せるのです。そして、正座して「太平記」を朗詠するのです。まいりました。「源氏物語」を原典で読んでいるし、佐渡の高校に奉職していたのは事実でしょう。事情は知らないけれど、東京に来て、守衛をやっている、昭和一ケタの世代です。佐渡の家族と離れ一人暮らしを長年しているのです。僕はもう引越しするつもりだったので、これからお爺さんから解放される思うから、機嫌よく色々聴いてあげたのです。それでも、あの酔っ払った時の豹変ぶりは怖いものがある。全然、覚えていないのです。
 昨日ニュースで知りましたが、アパートでの真相は明らかになっていませんが、横浜でのトラブルの報に接すると、他人事ではないと思います。
参照:http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann/20050928/20050928-00000014-ann-soci.html
 引越しの折、大雪でしたが、お爺さんに抹茶茶碗にちゃんと茶筅通しして、一服献じました。そして、茶碗をあげました。お爺さんは大雪なのに白い半シャツのまま、いつも年中、白シャツの軽装だったのです。酔って怒鳴っていた二階の手すりに凭れていつまでも僕を見送ってくれました。
◆本題から脱線しました。僕の知人でアル中に苦しんでいる人がいたし、亡くなったとき、焼き場で殆ど骨が灰になりました。仕事が物凄く出来た人でしたが、いつも魔法瓶に酒を入れて隠し酒をしていました。飲酒運転による交通事故は相変わらず多いし、煙草が原因による交通事故って聞いたことがない。喫煙も飲酒もマナーの問題なのですが、大学、会社の呑み会などのようなところで、強制的に酒を奨める悪習は中々無くならないですね。煙草の場合、強制して奨めることは殆どありえない。