ハッカーVSベクトル?

 仲俣さんがブログで連日、陸這記顛末記として何故、コメント欄を閉鎖して新たに海難記を立ち上げたか、その心情を吐露している。そして海難記はブログでないとおしゃる。どうしてかような顛末になったのか、ユリイカ4月号の「ブログ特集」で取り上げられたように仲俣さんのブログは本好きのブロガーにとって人気ブログであった。それなのにこんなことになろうとは、疑問を持っていたのですが、そのことを徐々に明かすとエントリーアップしたのです。
http://d.hatena.ne.jp/solar/20050928
http://d.hatena.ne.jp/solar/20050929
 これを読んでいると、僕にはまるっきり関係のない話ではないなぁと思いました。勿論、名指しで公開した「高橋昇」って言う人をまるっきり知らないが、今後、仲俣さんと高橋さんとのメールでのやりとりを随時公開するとのこと。公共性にかかわる問題だからと言うのです。問題の発端は仲俣さんの自著『極西文学論』を巡ってなのです。実は、僕もこのことについて触れたことを思い出し、検索したら、間違いなく今年の7/25付けで【ジジイのお勉強】と言うタイトルでアップしていました。コピペします。

 ネットでブックマークしているサイトでAさんのエントリーに対してBさんが自分のブログで疑問を呈して、それを偶然読むCの僕は知的好奇心が刺激される。A、Bともにお気に入りにチェックしているから、どれどれとなるのです。今回の「極西とは何か?」もそうですね。仲俣暁生『極西文学論』は未読ですが、メルさんがどのような展開で今回のエントリーを繋いで行くのか興味があります。
 参照:メモ――「極西」とは何か - Sound and Fury.::メルの本棚。
 参照:http://d.hatena.ne.jp/solar/20050724/p3(注:もう陸這記は閉鎖されているので、ロムされたい方は過去ログから検索して下さい)

 実は僕は本書を読んでいない。でも、気になっていた本であることは間違いなく、そんなアンテナにメルさんの本書に関するレビューがヒットしたのです。メルさんはプロの書評家ではないけれど、だからと言ってもいい、読むことに耽溺していることだけを拠所に徒手空拳で批評の矢を放つ。僕の好きな内田樹に対してもズバリと書いてくれる。でも、不思議と腹立たしい感じはしない。反論すれば真正面からやり合ってくれる人だと言う信頼があるからです。でも、今、気がついたのですが、メルさんもコメント欄が閉鎖されていますね。やはり、さびしい。
 僕にとってブログとは、僕自身の親記事を一つの踏み台、大きく言えば依代にして、何か言いたくなる。カキコしたくなる。そんなコメント欄を充実したいという願望が大きいのです。そういうこともあって、旧ブログは『葉っぱがアフォード、阿呆ダンス』と命名して兎に角「石投げしたい、アフォード」サイトを心がけました。訪問者とキャッチボールがしたかったのです。その趣意はこのブログでも引き継いで、コメント欄は最初から表示されているし、文字数の制限もありません。ただ、トンでもない書き込みは、勿論、僕自身の常識判断で問答無用で削除はします。新しい「千人印の歩行器」も千人の手助けがあれば、何とか様になるブログになるでしょうと言う想いから命名したのです。ぐうたらと言えばぐうたらです。
 仲俣さんの苛立ちはわかりますが、コメント欄を閉鎖しない方法で何とか手立てはないものかと、考えてしまいます。まあ、メールに寄る一対一の回路は残して、適宜、ネット公開するとのことですが、厄介ですね。僕は会員制のMIXIにも参加してこのブログと同文をそちらにもアップしています。そして、コメントできるようにしています。僕は便宜上、mixiの方を内部と呼び、こちらを外部と呼んで使い分けています。MIXIの方がコメントし易いと言う人もいるのです。*1
◆しかし、学者を含めて文筆を職業とするブロガーと、そうでないブロガーとでは“書くこと”に対する覚悟、姿勢がズレてしまうところがあるのでしょう。「公共性」と言ってもどの視点から公共地を構築するかによって地図は変わると思う。先日、森ビルで武田徹の東大先端セミナーが開かれ現役の新聞人、編集者たちが参加して講義がなされたのですが、今回は法政大学の白田秀彰氏知的財産権/プライバシーの危機』で、双風亭日乗ブログによるとすごく盛り上がったらしい。
取り扱った問題があまりにも大きく誤解を生みやすいということで、さっそく双風亭日乗のコメント欄に白田さん自身からカキコがあり、理解のための補助線としてHPに新たなテキストをアップしたので、読んで下さいとのことでした。
 興味ある話題なので、すぐにクリックして読みました。こんなことが議論されていたのかと、僕の不明を恥じるばかりでしたが、「公共性」を巡って色々な気づきがありました。白田さんの言葉で言えば、ハッカー階級から見た公共性、ベクトル階級から見た公共性というということになるのでしょう。⇒【『ハッカー宣言』への誤解説】
◆leleleさんが、『白田さんに会った』んですって、それで、いつの日か双風舎で白田さんの本を出版するらしい。とても面白い人らしくてleleleさんが白田HPよりコスプレ肖像写真を紹介しています。夏目漱石風、太宰治風とか、若き日の片岡千恵蔵みたいな人ですね。多羅尾伴内でしたか、笑ってしまいました。
◆leleleさん経由で知ったのですが、白田さんの「『ハッカー宣言』への誤解読」から、もうひとつの書評を書いた室井さんに食い付いて山形浩生節が炸裂しています。相変わらず、山形さんは熱いですね。ハッカー&ベクトル問題だけでなく、愛煙&喫煙問題も語っています。♪Muroi's Wierd Pro-Smoking argument

*1:http://hontohe.exblog.jp/1204691/による両性具有者的反論・異論・賛同?