スキンヘッドと違うよ、満天な丸坊主

オンライン書店ビーケーワン:マンゴーと丸坊主
「アフリカの貧困とか紛争以外の姿を読者に伝えてください。」と、『秋嶋?元?書店日記』が紹介している山崎美緒著『マンゴーと丸坊主』を読みました。著者は現役のスワヒリ語専攻の学生で、一年休学して自転車に乗ってアフリカ5000キロを走ったのです。彼女は自宅から往復24キロの大学まで自転車通学していた人ですが、それにしても、女の子がひとりで決断する勇気に脱帽、両親もよくぞ、OK!サインを出したものだと感心してしまう。祖父が誕生日祝いに「美緒へ、マンテンバイク代」と上書きしてプレゼント、「おじいちゃん、マンテンでなくマウンテンやで」ということで、『満天号』が誕生したのです。
 アフリカ行きの前に満天号を乗って大阪の池田市から1000キロの仙台旅行、日本一周6000キロの走行。そうやって野営からトレーニングを重ね、自宅のいる時は五月山に竹刀をかついで登り、素振り千本のエクササイズと、用意万端、2004年8月17日関西国際空港を出発したのです。そしてジンバブエのハラレでなんと彼女は「スキンヘッド」のお洒落でなく、「丸坊主」になってしまう。
 アフリカの行く前に危険を少し減らすために「女であることを隠す」という戦略を立て、パーティ用の「付けヒゲ」、「胸毛」を購入したのですが、丸坊主になる決心はつかなかったのです。それなのに、ひょんなことから、幸先よろしく丸坊主になってしまったわけ(笑い)。さらしを巻いてサングラス、手作りズボン(今度、彼女が旅行するときはモンペを推奨しますね)、五本指の靴下、タンザニアで買った白い大きい帽子に手ぬぐいで頬被り、首に日本手ぬぐいを巻いて首には護身用のホイッスル、まあ、そんな奇妙奇天烈なカッコウでナイロビから喜望峰まで走りぬけたのです。本文中に著者のイラストが殆ど毎ページ挿入されているので、どんな「満天号」かどんな「出立ち」か確認して下さい。
サイン会、講演会なんでもやるらしいですよ、トーク・イベントも面白いかも、『満天バイク』というブログもあります。
 そう言えば理髪店に行くたびにスタッフに「スキンヘッドをしようと思うんだが、どう?」と訊ねるのですが、「髪の毛があるうちはやめた方がいい」と諭されています。