自由って?カンチョーしました。
昨日は京都岡崎に行ってぽまさんの『空』の絵を拝見し、府立図書館で『文学界』の一月号に小島信夫のエッセイが巻頭に掲げられ『寓話』についてのエピソードを読みました。在庫があれば年末正月の読書計画に繰り入れようと検索したら、ありました。
分厚い!黄色の装丁が目立ちますが結構美本でした。綴じは糊だけで糸かがりはしていないけれど、しっかりしていました。
保坂和志HPで『寓話団プロジェクト』が発足して来年の春頃複刊されることになりますが、長編小説だけに製本が大事ですね。製本は職人仕事なので、どこまで『寓話団』が職人の手を受け入れるかでしょうか。本の表紙のデザインを公募していますよ。詳細は保板で探して下さい。*1
本を借りて、久し振りに、ぶらり、ぶらりと、師走の河原町を楽しみました。高島屋の地下食品売り場に寄って試食と冷やかしをしながら、ひさえさんがブログに書いたお酒「久保田万寿」は幾らぐらいで販売されているんだろうと、手にとって確かめたかったのですが、見当たらなかったですね。残念、無念、通販、ネットでなければ、手に入れるのは難しいのでしょうか。
帰宅して保板を覗いたら、昨日、東京芸大の美術解剖学の授業で保坂さんが講師を努めたのですが、『芸術の自由』(108分)がクオリア日記に音声アップされていることを知る。*2さすが茂木先生ですね。じっくり楽しみました。いや勉強させてもらいました。保坂和志&がぶんHPに教室風景が画像アップされているので、益々臨場感を高めることが出来ましたね。
ボギー用語で「とてもカンチョーしました」(講演内容のイントロで自由について話した時、さんまの番組に出ていたナイジェリア出身のボギーの言いまつがいについて喋るのです)。
この芸大の授業は茂木さんの担当なのですが、今回は茂木さんも生徒の一人として拝聴しています。しかし、保坂さんの喋りは本当におもしろい。何度となく笑わせてもらいましたし、考えさせられました。主に自由について語っているのですが、僕たちは小説家が語る時、個々人はそれぞれ自分のフレーム内で翻訳、解釈したりして、小説家の語る言葉をそのまま受信する身体操作が中々困難である。結構、身体を閉じて、無意識に「聞きたいものしか聞かない」という受信をしているのではないか、そのことによって自分自身が揺さぶられ、思いも寄らぬ道に迷い子になったり、思いも寄らぬ世界が開けたり、それは、多分、読むことが旅の経験なのでしょう。
保坂さんが茂木さんに紀行文のことを言っていましたが、『風の旅人』のコンセプトは保坂さんの言うような方向性なんだろうと、何となくおぼろげに理解しました。
授業で言及された本を紹介します。画像でも音声でもクロソフスキーの名前が出たのには思わず身を乗り出しました。『ディアーナの水浴』は僕の愛読書でした。でも言及されたのは『生きた貨幣』、『ニーチェと悪循環』でした。
- 作者: ピエールクロソウスキー,Pierre Klossowski,Pierre Zucca,兼子正勝
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- 作者: ピエール・クロソウスキー,兼子正勝
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