山田太一の「終わりに見た街」を見たい!ISBN:4122011205

 『RATIO』の巻頭論考、小泉義之「自爆する子の前で哲学は可能か―あるいは、デリダの哲学は可能か?」は≪[…]そして、自殺に失敗した若者、自爆に失敗した女性、死線を潜り抜けた病人は、明日の哲学者の予兆であるかもしれない。(p22)≫など、デリダに疎い僕でもこたえる論考でした。難しいんだけれど、美しい、散文詩を読んだような読後感で内容の重さもさることながら、その美文に驚いてしまいました。
 大澤真幸『「靖国問題」と歴史認識は今まで「靖国問題」関係で読んだ左右を問わず、腑に落ちなかったことが、明晰に腑に落ちてしまった。そのあまりにも鮮やかさがひょっとして欠点かなと思ってしまうほどの見事さで、僕にとって大澤さんはやっぱし、頭をすっきりさせてくれる先生ですね。ところで、この論考には山田太一のテレビドラマ『終わりに見た街』が重要なテキストとして使用されているのですが、僕は残念なことに見ていないのです。去年の12月3日に放映されたのですね。DVD化して欲しいなぁ…。山田太一のものは結構DVD化されてレンタル屋さんにありますよね。しかし、朝はテレビを見ても、夜は殆ど見ないのです。だから、結構、見逃している。