時代は回る

安倍晋三 安倍家三代
 岸信介を追うと彼の中では戦前、戦中、戦後が切れ目なくつながっているという感がする。原彬久著『岸信介ー権勢の政治家ー』(岩波新書)は作者が生前の長時間インタビュー、未公開の巣鴨日記や米側資料を駆使してコンパクトに新書にまとめたもので、妖怪、巨魁と言われた岸信介の実像をおぼろげに映し出してくれる。
 しかし、この本を読むと、懐かしい政治家の名前がたくさん出てくるが、よく考えたら、現在の政局を動かしているのは、彼等の息子達、娘達なんですよね。二世、三世が当たり前の政治の世界なんでしょうか、地方の議員から国会議員まで、地盤を引き継いで政治家になった統計資料は公表されているのでしょうか。
 彼の大仕事は55年体制の構築、新安保条約締結ですが、その60年の安保闘争で騒々しい青春を送った若者達がもう定年で組織から放たれる。2007年問題を舵取りするのが、岸信介の孫世代になるのか…。
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