ぷらぷらプー太郎

くまのプーさん キャラプレ・マスク プー
 保板のがぶんさんが、《「職業安定所」が新しい名前を公募したときがあって、僕はハガキに「プーちゃんセンター」と書いて応募した結果、見事落選した経験がある。ハローワークだと? すかしてんじゃねぇよてめぇ!》と書いてあったが、思わず哄笑してしまった。僕が子供の頃は港の荷揚げの仕事を日雇いで海岸通りにとぐろを巻いていた「沖仲士のあんちゃん」を「プー太郎」と呼んでいた気がする。フーテンとも違う(当時、おしゃれなモードのアイテムでもあった)、風俗と縁のない有史以来存し続けたプー太郎なのです。戦艦大和が消えて巨大タンカーが浮かぶ港の見える中学校の校庭で、プー太郎達と一緒に草野球に興じたのを懐かしく思い出します。勿論、クマのプーさんと全く縁がないとは思いますが、こちらも由緒正しく1926年の生まれなので、ひょっとして多少の縁があるのかもしれない。
 突然、プー太郎のことを書いたのは『保坂和志の途方に暮れて、人生論』が発売されましたが、web草思で今度は新連載として『世界はこんな風に眺められる』と保坂さんらしい切り口で第一回目がアップされました。中身が空洞の「ニート」言説に保坂さんも苛立ちを感じたのか「プー太郎が好きだ!」っていうタイトルなのです。
 最近、出歩くと必ずニートという言葉が耳に入りますね、先日でも、電車の中で多分、教師仲間なのか、予備校の教師なのか、生徒達がどこへ進学したかの話題に花を咲かせていたのですが、突然、ニートの話になり、大学を卒業して会社に就職し通常のコースを歩めば生涯賃金は三億円、高校卒業の場合は一億円(+五千万円かもしれない、あやふや)、でも、コースを外れてフリーター稼業なら六千万円とのこと、そういう身も蓋もない試算なのですが、具体的に検証するとすぐに崩れそうな数値だと思うのですが結構みんな説得されているというか、信じたがっているのでしょうね、僕の過去のエントリーでも書いたジェイコブ株で儲けたあのフリーターの若者は今では120億円の儲けらしいと週刊ポストに載っていましたね。このデータはあくまで過去のデータであって、それであるからこそ、当たるはずのない予想数値なのです。そんな頼りのない数字を信じるしか不安解消のすべがないのでしょうか、それより、直感を、感性を磨いて欲しいなぁ…、そのためには、プー太郎で生き続ける諦観っていうか、度胸っていうか、ズボラっていうか、これもまた、結構、大変だ!
 しかし、このエッセイの“ぷらぷらおじさん”に僕が入るかどうかはわからないが、気分は「ぷらぷらジジィ」です。
 藤原新也さんの更新した日記『湯牧民の悲哀』も面白い、シンヤさんはマンションに内風呂があっても銭湯通いは欠かせない、その銭湯でのエピソードを書いているのですが、確かに東京の下町あたりの銭湯で午後十時過ぎ、たった一人でわびしく湯につかることは珍しくなかったです。僕も又、下町の銭湯につかりたくなりました。勿論、気分は「ぷらぷらジジィ」です。
 追記:そう言えば市川昆監督、伊藤雄之助が主役の映画『プーサン』なんてありました。知っていますか?goo映画: 映画と旅行を愛する人々に向けた情報サイト。「個性的すぎる映画館」、国内外のロケ地めぐりルポ、海外映画祭と観光情報、映画をテーマにしたお店紹介など、旅行に出たくなるオリジナルコンテンツを配信中。、なるほど、観ているはずですが、覚えていませんね、伊藤雄之助は好きな俳優です。他に主役の映画がないかどうか調べたらこんなカルト映画がありました。今年、DVD化されたのですね。あらすじを読むと観たくなりました。

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