藤田嗣治展

kuriyamakouji2006-06-16

 京都国立近代美術館で開催中(5月30日〜7月23日まで)の藤田嗣治展に行ってきました。生誕120年に当たる記念の回顧展ですが、亡くなったのは1968年なんですよね、ちょうど図書館から借りた沢木耕太郎の『危機の宰相』を電車の中で読み始めたのですが、岸信介の60年安保から、バトンを受けて所得倍増で黄金時代を築いたと言われる池田勇人は64年の東京オリンピックまで政権を担当するのですが、映画で大ヒットした「ALWAYS〜」も池田内閣時代の物語ですね。個人的にも60年の夏、生家が倒産して、大阪の高校に転校した曲がり角で、まさに「アンポ反対」から「所得倍増」の時代へ、変換されたのです。完全雇用の状態だったのです。求職者より求人数の方が多く、金の卵って言われていましたね。オヤジは40歳を越えてゼロからスタートなのに、商売人からサラリーマンへと軟着陸出来て、むしろ一家の生活が商売をやっていた頃より、暮らし向きがよくなったのも、恐らく池田勇人の所得倍増政策が着々と実現したからでしょう。
 68年は佐藤栄作の時代で僕は24歳で、藤田嗣治が死んだ年でもあったんだ。そんなくだらないことを考えながら絵を楽しみました。絵については別の機会に書いてみます。絵そのものより、藤田嗣治のキャラに興味がありますね。