多分、若いツバメは弱者男性ではないんだろうなぁ…、

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 ◆早朝からアクセス数が多いのでリンク元を見ると「ワーキングプア」のキーワードです。僕のエントリーはただ、参照すべきリンク先を紹介しただけで、僕自身は社会構造の歪が表に出たと指摘しただけで、何ら新しいことを書いているわけでない、にも拘わらずみなさんの関心の高さに驚きます。今度の総選挙では「ワーキングプア」に対する政策が問われるようになるでしょうね、労組も避けて通れない。正社員労組が非正社員に対してどのような関心を示すのかが問われる。
参照:leleleさんが、実体験に基づいたワーキングプアについて書いています。第一回目です。「ワーキング・プアな親を持つ子ども 1 - 双風亭日乗はてな出張所」、第二回目ワーキング・プアな親を持つ子ども 2 - 双風亭日乗はてな出張所 
 ◆そうそう、いまだに、赤木智弘さんの「私は男女平等の実践として「私を養ってくれるお嫁さん」を募集します。」のアナウンスが気になります。どうなっているんだろうと、ところで、このお嫁さんは年齢制限ないのだろうか、ふと、考えました。というのは私の若い知人で定職のないブローカー業というか、とにかくなんで食っているのかはっきりしないヤツだったのですが、風の便りにうんと年上の女の人と世帯を持ったことを聞きました。でも、親と子ほどの年齢差がある。多分、お嫁さんは年金受給者かもしれない。
 ◆小森陽一の『村上春樹論』(平凡社新書)を読んでいるのですが、面白いっですね、『海辺のカフカ』がテクストなんですが、その手際、分析が見事で本書そのものが、『海辺のカフカ』とは別の際立った作品と言ってもいい、文芸評論家による「『海辺のカフカ』をネタにしたもうひとつの小説」と言っても良いのかも知れない。こういうのを読むと文芸評論と書評とは全く別物で、作家が文芸評論家の書くものをネグレクトする気持ちがわかる。でも素晴らしい評論は一人の読者にとって原著より面白い場合があるのではないか、僕もこの本を読み書評投稿したけれど、こんな気づきをしようともしなかった。やはり僕はPOPの気持ちの応援歌書評をするのが、一番、僕の気持ちにも適っている。批評行為があるとしたら、読んでいる人が僕の拙レビューで批評行為を行うという回路でしかないでしょう。
 ◆急に『海辺のカフカ』について書いてしまいましたが、甲村図書館の館長の佐伯さんは団塊の世代でしょう。でも、カフカ少年と交情が生まれる。小説の世界では別に珍しくないですし、実生活でも結構、見聞きしました。でも、赤木智弘さんの文脈ではうんと年上の女の人が勘定に入っていないのではないかと気になったのでした。それで、ここにメモ。僕は岡本かの子がとても気になるのですが、かの子は実生活でも旦那の岡本一平の了解のもとですが、年下の男と同じ屋根の下に暮らしていたでしょう。『老妓抄』では、若い男に貢ぐというより育てる。まず先に“惚れる”ことがある。惚れられることをがっしりと受け止めるのも、ものすごくエネルギーとスキルがいる、例え世間体的に「若いツバメ」であろうとも…。男女を、年齢を、問わずそのような相互扶助が「惚れる」ことによって稼動していた事例は確かに少なくなりました。