書評で偲ぶ鶴見和子さん

南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫)
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 雑誌『思想の科学』のメンバーで鶴見俊輔さんのお姉さん、鶴見和子さんが7月31日にお亡くなりになったのですね、享年88歳です。『南方熊楠』、他に『好奇心と日本人』、『漂白と定住と』、歌集『回生』、『鶴見和子曼陀羅』(全九巻)などがあります。『南方熊楠・萃点の思想』の書評を読むと、「氏は脳内出血からの「再生」後において、なお他の課題に優先して「熊楠との対話」を繰り返しているのでもあろう。」と書いている、あの世で心おきなく熊楠とお話して下さい。
 毎日新聞の記事(8/2)は《水俣病などの社会問題にかかわる中で思索を深め、新しい社会変動の理論として「内的発展論」を提唱。また、「小さき民」の創造性を探究し、南方の「曼陀羅」の手法を重視した。》とある。
 鶴見和子さんと石牟礼道子さんとの対話『まんだら』の書評森岡正博さんは《二人は、人生でもっとも晴れがましいことは、死だと言う。「一番最後に死があるのは何と幸せだろうって」。この言葉を発することのできる人生は、何と幸せなのだろうと私は思った。 》と記す。紹介している『回生』の歌もいい、
半世紀死火山となりしを轟きて煙くゆらす歌の火の山 合掌。
参照:2006-08-01