蠅の王

kuriyamakouji2006-11-01

 河合隼雄文化庁長官の後任に、近藤信司文部科学審議官をあてる人事を閣議決定という記事がアップされましたね、新潮文庫百冊フェアで二冊買うとYONDAのタレ?パンダ人形をもらえるので、(まだ、餓鬼ですね…)
 無人島に漂流した少年達の物語『蠅の王』(ゴールディング新潮文庫)を春頃、買って読んだのですが、覇権を争う二人の少年、ヒーローは言葉(意識・形)、アンチヒーローは(無意識・心)で簡単に図式化すれば、そうなるのですが、イギリスには教育としてゼントルマンの系譜があるのでしょう。
 教育基本法の「心の問題」がhttp://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm国会審議中ですが、ユング学者として前文化庁長官河合隼雄がある面で心の問題の推奨者でもあるわけですよ、「教育」と「心」は切り離されないもので、政治や、教育はやはり「言葉」(形)に踏みとどまって欲しいと思いつつ、そのような「冷たい関係」では「教育」にはならないでしょう。「うざったい関係、暑苦しい関係」は「生きる関係」でもあるわけです。そこにイジメ問題もおきます。武田徹さんの言葉で言えば「義理と人情」ですかね。
 しかし、河合さんと言えば我が町に講演に来たので、何を喋ってくれるのかと期待したのですが、一時間近く、ミニコンサートを聴かされました。一曲目はまだしも、アンコールがあったということで、(それは社交儀礼でしょう)冬のソナタのテーマーソングを延々とフルート独奏するのです。まいりましたね、さすが、言葉よりイメージが大事だと、箱庭療法?の実践なのか、観客席の人々は殆ど、癒されるどころか、げんなりしていました。
 音の外れた余興をまさか聞くとは思いませんでした。まあね、このようなノイズも「情」で受け入れざるを得ない事態もあるわけですが、ちゃんとした言葉(形)で話しが聞きたかったと思います。あれから脳梗塞(8月に奈良の自宅)でお倒れになったのだから、本当に心残りです。養生して回復した暁には機会があれば真っ当な講演を聴きたいものです。
 とにかく、「心の問題」は大事です。でも、これは非常に根元的な無意識の問題に触れざるを得ない。軽々に政治が取り扱うと、怖い事態になります。タレパンダを見ていると『蠅の王』の二人の少年の愛憎半ばする友情、亀裂、「身体の反乱」について、ある種のおぞましさを感じるものの、当事者として生きるしかない、むしろ「ユートピア言説」は生きることの回避につながるのではないか、そんなことを思ってしまいました。
 参照:http://www.dpj.or.jp/kyouiku/conme001.html
 しかし、稲葉振一郎さんのこの右翼/左翼/保守主義/のカテゴリー分析は腑に落ちるところがあります。
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20061027/p1
 下のYouTubeでアップしたように超越的危機は隕石の衝突のようなものでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=iaLpzhOpjTA&eurl=
 画像は榎本香菜子の『孤独な列島』(2005年)