格差社会からパトリオット、パーリアとは

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 花田清輝の『スター意識について』の続きを引用するつもりが、市の明るい選挙推進協議会主催の『白バラ講座』に行って来ました。講師はジャーナリストの二木啓孝で、ウィキペディアの記事も面白いが、予想以上に面白かった。千人ぐらい収容できるホールで、平日の昼間、まあ、僕のようなお年寄りが多いもののほぼ満員で、四方八方メリハリのきいた話は年代を超えて引き込まれたのか、終わって拍手がなかなか鳴りやまなかったですね。アタマが北朝鮮の話で六カ国協議においていかに中国が主導権を取って動いているかの観測、それから正規社員と非正規社員の格差の問題。先日発表になった第一生命シンクタンクのレポートを資料にいかに正社員と非正社員の格差が広がっているか、ありていに言えば生涯賃金の試算は2億4千万円と6千百万円で、1/4ですね、このレポートは『子育て負担と経済格差』で、こども二人世帯の平均子育て費用は三千百万円で、非正社員生涯賃金から割り算すれば50%を越える。まあ、イヤになる数字ですが、1999年、2003年には製造業の労働者派遣事業が法的に認められ、人材派遣法の労働市場緩和が促進した結果であろうし、それによって景気が回復し始めたのも事実でしょう。他方で格差が広がったわけ。そのようなコイズミ政治を引き継いでアベ新政権はそのような格差のひずみを是正する方向性を模索するのであろうが、自民党であれ、民主党であれ、マクロ的にケインズ経済学を採用するのか、小さな政府のハイエク(新自由主義)かの選択であるけれど、ハイエクのコイズミさんは間違いないけれど自民党はやっぱケインズになってしまうし、かって小沢一郎の『日本改造論』は新自由主義だったわけでしょう。でも今は違います。人に優しい政治だもんね、相手が規制緩和、競争社会歓迎、格差拡大のコイズミさんなら、民主党社会福祉を重視したケインズ経済学的なもので、政策を絞ることが可能ですが、相手がアベさんならどういう舵取りをするのでしょうか、今のところ小沢一郎菅直人鳩山由起夫の三人がそれぞれの分担、選挙、国会、党と週一で昼食会をしながら、仲良くやっているみたいですが、その結果も来年答えが出るでしょう。でも、問題は投票率ですね、僕はこの「明るい選挙推進協議会」で前回、市の担当者が来ていたから、インターネット投票のことを質問したのですが、まだまだ先の話みたい。
 今の選挙法では投票率が50%を大幅に切れても得票数の高いものが当選する。棄権は何の意思表示にもなんない、僕が昔から考えているトンデモ投票案はマイナス投票です。積極的に投票したい人はいないが、当選させたくない人がいれば「マイナスの投票」をするわけです。そのマイナス数を集計して、得票数から減算するということです。この方法が導入されれば、得票の予想も難しいでしょうね、最後の蓋を開けなければわからない。棄権が減って投票率が上がることは間違いない。leleleさんタウンミーティングでのやらせ問題について書いていますが、選挙での開票速報は当選確定があまりにも早過ぎる、そのようなこともある種やらせに似た必然性が稼働しているわけですよ。大澤真幸さんがよく民主主義制度における偶有性の重要性について語りそれなくしてはなかなか公平性は担保出来ないと書いていて、あえてジャンケンポン作戦に言及していましたが、一考する余地があります。過去ログにも書きましたが、中学生の頃、柔道の試合で、一本、有効など、はっきりしたものでないかぎりはジャンケンで勝敗を決めていました。亀田弘毅の判定問題があったでしょう。ああいう判定はジャンケンポンで決めたいものです。)
 マイナス投票もこのような文脈にあります。トンデモ投票方法は反対があるかも知れないが、偶有性は公平性のキモに間違いない。どちらにしろ、インターネット投票は一日も早く導入してもらいたいですね。わざわざ選挙会場まで行くのは大変なんだから、という人達が沢山いるのは事実です。投票率が100%何ていうのも恐い社会ですが、70%、80%が不思議でない社会はいいのではないか、衆議院総選挙投票率の一覧表を見ると、第一回は93%ですが、直接国税を払った男性だけに選挙権は限定されていましたからね、直近の2005年はコイズミ人気?で67%ですよ。戦後だけを見ると、結構、70%を越えていますね。でも80%は越えていない。戦前なら東条英機の翼賛選挙で80%を越えていますね。だからひょっとしたら80%を越える投票率は政治が前面に出た恐い社会になりかねない。
 昨夜、寝る前にchikiさんのブログから姜尚中の『愛国の作法』を書くということについての動画を見ていると、「愛国心」って、もっといわば左の人たちが語るべきかもしれない。在日の人にとっての「パーリア」について姜さんはアーレントを繙いて語る。『パーリアとは誰なのか』、Arisanのノートに考えさせられる記事がありました。
 姜さんは何故『愛国の作法』について語るのか
 二木さんは橋本、小渕、森、小泉のキャラの相違について話してくれたが、これも結構面白かったが、中川幹事長がキーパーソンとのこと、彼の言動を追えば大体のところ?が見えるかもということでした。ちなみに今回の講演は『日本よ何処へ行く』でした。最後に鈴木宗男の話でしめましたが、『宗男の言い分』という本が出版されていたんですね。
 ◆ワタリさんから『ニートの小さなデモ』の動画が紹介されていました。
 ◆大竹文雄さんの『経済学的思考のセンス』(中公新書)も読まなくては…、
 参照:hamachanさんの非正規労働者に関するテキスト