デブオになるのはイヤです。

墨攻 (新潮文庫)小林秀雄講演 第1巻―文学の雑感 [新潮CD] (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 1巻)寺山修司の戯曲〈2〉 (1983年)
 夕食の買い物の途上で、ブックオフに寄ったら、屁爆弾さんところでで話題になった『大山デブコ』が収載されている寺山修司の『絵本・千夜一夜物語』(河出文庫)がありました。でも、『寺山修司の戯曲2』(思潮社1983)に収載の大山デブコの方が面白そう。図書館でしかないだろうね。
 それと、再開なったpipiさんのシネマ日記が『墨攻』で、原作は酒見賢一ですね、僕は彼のデビュー作『後宮小説』をリアルタイムで読みましたが、bk1のレビューをクリックすると8件もあってその熱さぶりが思い出される。何となく「キャラ的な戦闘美少女」が主人公で後宮、宦官の世界を描いた戦国物語の記憶があります。めくると冒頭は「崩御」。

腹上死であった、と記載されている。/腹英三十四年、現代の暦で見れば1607年のことである。/歴史書というものは当時の人間が書くものではなく、後代の人間が書くものである。更に言えば次の王朝の史官が書くのが通例である。よって、この歴史書の筆者は王の腹上死を実際に目撃したわけではないし、直接に調査し得たわけでもない。

 冒頭だけで、一挙に記憶の一部が蘇りました。それで百五円で購入して読み始めたのですが、やっぱし面白い。物語作家として酒見賢一はどんどん活躍して欲しいですね、映画『墨攻』も見てみたいものです。
『絵本・千夜一夜物語』の 「大山デブコ殺人事件」の冒頭も引用サービス。

 世の中には、さまざまの殺し方があり、そのためのEncyclopediaの出版も限りないと聞いてをりますが、Alf Lailah oua Lailahのバートバン版における仕立屋の妻の「傴僂殺し」などは、まことに鮮やかなものでございます。つまり妻は「魚の大きな一切れを指でつまみ上げて、じょうだんのやうに、それをすつかり傴僂の男の口に押しこみ、口の上から掌で押へて吐き出せないやうにして言ひました。

 毒気を与えられた冒頭ですが、植田康夫編『読書目録大全』、これは2000頁近い大部で、索引も充実している。図書館でよく見かけるもので、欲しいものでもあったのです。老母の卒樹のお祝いが近いので、ということでもないのですが、たまにはと、美本で鷹狩行の『狩行俳句入門』(ふらんす堂)を購入、これも百五円。僕としては、寺山修司の俳句入門の本が欲しいですね。
 先日、病院で検査したら、コレストロール値が高くて、警告されました。メバロチンよりはワンランク高い「リポバス錠5」を投薬される。
 帰って、『小林秀雄講演全集CD第一巻』(新潮社)の「文学雑感」に収載されている「タバコをやめた理由」、「クスリについて」を聴いていたら、笑ってしまいました。数値科学に誤魔化されないように注意しなくては…。
 でも、デブオになるのはイヤですね。