黙々の黙のコラボ

羽生―「最善手」を見つけ出す思考法 (知恵の森文庫)アフリカの印象 (平凡社ライブラリー)オンライン書店ビーケーワン:解説屋稼業
 本日のエントリーは画家の「石田黙」、作曲家「江村哲二」、そして、保坂和志さんの黙殺されて、やっと、文庫になった新刊『羽生』になりました。「黙のコラボ」ですね。偶然です。
 黙殺と言えば、作者の保坂さん自身が「黙殺」という激しい言葉をまえがきに書いたらしい(まだ、購入していないのです。これから買います)、『羽生』の感想文を梅田望夫さんも「黙殺された名著がここに蘇った」と書こうと思っていたと、今日のブログに書いていますね。前日のエントリーは茂木さんと梅田さん自身を相対化して酔っぱらいの繰り言として「情に溢れる一文」を書いていましたが、確かにお二人は正反対の人なのかも知れない。でも、僕はそんなお二人の本を愛読した。多分、風の旅人さんの『わかることとは』につながっているのだろうなぁと、思いました。わかり得ないという断念が、接続に繋がると思うのですよ、徹底した「断念」、「孤独」の痛さの向こう側に、「わかりたいという欲望」が生まれ、「わかることに、一歩一歩近づく」、それでいいのだと思う。
 僕は将棋がダメですが、保坂さんのこの文庫は読みたいですね、保板によると、『羽生』は、もう増刷されたらしい。版元によると、増刷になった最短記録を更新したとのこと。ひょっとして、売り切れてないかもしれないですね。GO!
 解説文は茂木さんが書いています。最短記録に貢献したかも知れないですね。
 新刊『アフリカの印象』は保坂さんが解説を書いている。保板のコメントによると、ある本屋さんの棚に並んでいたということで、思わずそのセンスに感動して二冊買ったということです。そう言えば、鹿島茂解説文だけを収録した自著を出版したことがありましたが、本屋の棚陳列で、作家コーナーに作家自身が書いた解説文が収載されている本をずらりと並べるのも面白いですね、棚にボリューム感が出るし、ジャンルを越えた「発見のある棚」が出来上がるかも知れない。
 追記:知識から知恵への冒険か、羽生さんのインタビュー記事です。