65グレイの放射線


今日は恒例の病院通いで診察。病院の図書室に寄贈する本をバックに一杯につめました。今日のメインは星新一の文庫が10冊以上。エンターティメント小説の単行本が10冊ぐらい。全部、街の図書館のリサイクルでもらった本なのです。児童書も入っている。でも病院の図書室はコミックを開架してくれない。『おたんこナース』も『研修医なな子』も寄贈したのですが、図書室には並んでいない。多分、職員の休憩室、バックヤードに並んでいるかもしれないね。寄贈したものは丸投げですから、それでいいのです。
診察では、前立腺癌のクスリ(カソデックス錠、オダイン錠)が効かなくなったので、前回からデカドロン錠0.5mgを朝食後1錠、夕食後1錠を服用していました。
約1ヶ月後、今日が診察日で緊張の一瞬でしたが、PSAの数値が下がっていました。前回(7月17日)は15.670、前々回(5月15日)は9.180で上昇カーブだったのに、今回(2009/8/14)は10.410と約5.000もダウンしている。ゾラデックスの注射が無駄になっていないわけだ。このままの状態で経由すればいい。
ただ、このステロイド系のデカドロンは患者によってどうして効能があるのかはっきりとした科学的知見はないとのことです。効いたからといって明快な次の一手が打てるとはいかない。結果として効いたから、次回もこのクスリを飲み続けましょうと言うことです。
担当医の話では、患者100人の内、約40人が効果があったというデータだということですが、問題はこのクスリがどれくらいの期間効くかということです。神のみぞ知るでしょう。
ところで、僕はもう放射線治療はできませんが、担当医に素朴な疑問をぶっつけたことがありました。何となく放射線=やけどのイメージがあるのですね。だから、再度、放射線治療をやってもいいのではないか?細胞は日々更新されているのでしょうって。でも、ダメでした。
そんなとき、毎日新聞「くらしナビ」で中川恵一の「がんから死生をみつめる」というエッセイの8月12日号は『「放射線=やけど」は誤解』でした。

[…]広島市では、45年末までに約14万人が、長崎市で7万人以上が死亡したと推定されます。死亡の原因は、まず、原爆の爆風と高温がもたらした被爆直後の建物の倒壊や火災、やけどによるものです。爆心地周辺の地面の温度は3000〜4000度も上昇したとされます。
 さらに、大量の放射線によって多くの人が亡くなりました。広島、長崎の被爆者のように、全身に3〜5グレイ以上の放射線を浴びると、生きていけません。これは、日本人が自然界から受ける放射線量の2000倍以上にのぼります。
 しかし、このように放射線を大量に被ばくしても、温度の上昇は1000分の1度にすぎません。原爆のやけどと放射線は関係がないのです。がんの重要な治療法である放射線治療に対し、「放射線=原爆のやけど」のイメージを持つ人が多いようですが、それは全くの誤解なのです。
http://mainichi.jp/life/health/nakagawa/news/20090811ddm013070135000c.htmlよりー

僕の場合、98年3月20日から毎週木曜日に放射線治療をして6週間ですね。1回2.5グレイで26回。合計65グレイの放射線を浴びたということになる。スゴイ量だったんだ。10年前の出来事だから、再度放射線治療をしても問題はなくはないけれど、チャレンジする価値があるのではないか?と安易に考えたのでした。
しかし、頭の動画はよく出来ている。かような啓蒙・実用的な動画がもっとアップされればいいねぇ。