さようなら、私のブログよ?

さようなら、私の本よ!

さようなら、私の本よ!

本書を読み始めました。大江健三郎を読むのは久しぶりですが、
とても、身体にシンクロする文体なのか、
今まで読んだ大江健三郎の中でもっとも読みやすい一冊になりますねぇ。
本の読みやすさって、やはり文体ですね。
川上未映子が『ヘヴン』で文体を替えて上梓した冒険がわかる気がする。
古井由吉もエッセイですが、最近のものは、意識して文体を替えている気がする。
『さようなら、私の本よ!』はそのような意識された文体の変更はないけれど、
とても、自然に入っていける僕にとってか、居心地の良すぎる文体です。
扉の言葉に老人の一人としてシンクロしてしまったというのがあるけれど、

もう老人の知恵などは
聞きたくない、むしろ老人の愚行が聞きたい
不安と狂気に対する老人の恐怖心が
      ーT・S・エリオット西脇順三郎