立花がん本を読みながら付箋
- 作者: 立花隆,NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本
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よく脳細胞は、生まれてから死ぬまで変わらないなどといいますが、あれは、脳細胞の情報コンテンツがずっと維持継承されるということで、物資としての個々の脳細胞は次々に生死を繰り返して、新陳代謝しながら情報(DNA)のコピーをつづけることで、個体としての同一性を保持しつづけていきます。物資レベルでは保持されていないのに、情報レベルの同一性が保持されているが故に、同じ人間が生きつづけているものだと本人も周囲の人間も共同幻想を持ちつづけられるのです。
人間は物資としての同一性は短時間しか保持できないのですが、情報(DNAあるいは、脳の中の記憶)の同一性が相当の長期にわたって維持できるので、個体としての同一性も一生保ちつづけていると思えるのです。
しかし、記憶にしろ、DNAの設計図にしろ、コピーにコピーをつづけていくと、必ずコピーミスが生まれ、まちがいを起こします。脳細胞のコピーミスは忘却や認知症として発現しますが、DNAのコピーミスは、さまざまの生理的機能不全として発現していきます。その最も深刻なものが、がんであるともいえるわけです。
コピーは少なくとも、十の十八乗回以上、一京回以上と言われている。イメージがわかない巨大な確率ですねぇ。