古本屋歳時記

出久根達郎の新刊『古本屋歳時記』が図書館の新刊棚にあったので、借りる。
古本屋歳時記---俳句つれづれ草

「誕生年の暦」の頁に目が留まる。僕も早生まれの昭和19年などで出久根さんと同年。
なまなまと一枚ありぬ古暦 藤田湘子
古道具屋の露店で出久根さんは「昭和19年宗教宝鑑」を2000円で買ってしまう。
何ことはないたった十五枚三十ページの暦です。

 「お客さん、本当いうと、この年に生まれたんでしょう?」ニヤリ、と笑った。
 ズバリ、である。だから二千円出して買う気になったのだ。
 「だろうなあ。でなくちゃ、こんなもの、お金を払う気にならないよ。売り手がそんなこと言っちゃいけないか」と舌を出した。(p18)