熱いメンチンのラインダンス

 友達から苦笑してしまう手紙が来た。『熱い書評から親しむ感動の名著』を購入しようと、大きな本屋さんに行ったのだが、見つけることが出来なかったらしい。ジュンク堂池袋店にも行った。でも、探すことが出来なかった。ジュンクではこの本についてのトークセッションを中条省平氏をメインで開催したので、ないことはない。訊けばいいのに、彼が言うには訊くのが恥かしかった。
 彼は含羞の人ではあるけれど、人見知りするとか、そんな男ではない、むしろ度胸があり過ぎて困るほどの男なのです。まあ、そんな男なのだからなのか、それとも、読書人であることの誇りが変な拘りとなったのか、別の理由なのか…、
 この本の“あつ〜い、しょひょうから、したしむ、かんどうの、めいちょ〜”って店員に尋ねるのか、恥かしくて堪らなかったと言うのです。それで、購入しなかったのです。 この気持ち、わかりますか、ぼくは何となくわかりますけれど、言わぬが花ですね。
 でも、本書の編集担当者の気持ちの入ったタイトルには間違いありませんし、僕自身、三、四軒のリアル書店で、問い合わせたが、こちらも、多少なりとも入れ込んでいるから、恥かしさを飛び越えてハイになっていたのか、友人のような気持ちにはならなかったが…。発売半年も経過して、そんな風に言われると、そうか、そういうこともありうるのだと、それによって、売る機会を逸したこともあり得ると、思い至りました。だったら、どんな題名がよかったのであろうか?う〜ん、中々思い浮かばない。
 思い切ってプロフィールの画像に採用してみましたが、お世辞にも洗練さとは程遠いですね。装丁はまあ、いいのです。タイトルですね、書名って、物凄く大事。bk166人の書評者たちのスタンスの違うまとまりのない多様さは本書の魅力でもあるのですが、そのいい意味での逸脱振りが、この題名では表現されていませんね、『あらすじ本でないネット書評集』っていうコンセプトなのですが、そのことを端的にあらわす魅力的な題名って、時間をかけて検討すべきだったでしょうね。今からでは遅すぎますが…。でも、友人の言葉は痛かったです。 
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