黙の世界(石田黙展)


 先日、「石田黙」のことを書きましたが、標題が石原黙になっていましたね、今やっと気がついて修正しました。まさに、「石田黙って誰?」になってしまった。若い頃、会ったという榎本香菜子さんから石田黙のことを教えてもらったのです。
 ひょんなことで、その知られざる「石田黙」に魅せられて、推理作家折原一は、ネットオークションなどを利用して、石田黙の作品をあつめにあつめ、他に追従を許さない石田黙コレクターになってしまったのですが、それだけに収まらず、石田黙の世界を配して推理小説を書き、そして展覧会までやってしまうことになったのです。
 その折原さんの狂気の蒐集ぶりは、先日聴いた白洲信哉東京芸大美術解剖学講義『美を求める心』の「視ること」の「怖さ」をひしひしと感じさせてくれますね。青山二郎小林秀雄を狂わせたし、その血が白洲さんに脈々と流れているのでしょうか。
 折原さんは石田黙に狂って、とうとう、美術書か、ミステリーか判別できない書き下ろしの奇書『黙の部屋』を発刊する。 この本には図版が40点以上も収録されている。まあ、僕はミステリーは読み慣れていないのでコメントは控えさせてもらいますが、bk1の書評者「みーちゃん」さんが、丁寧なレビューをアップしてくれている。
 ■折原さんの石田黙展は、来週の月曜日(6月25日〜30日)から始まります。又、恐ろしいドラマの開演か…、銀座の文芸春秋画廊(tel:03-3571-3473)です。