これも又、企業社会終焉の物語の予兆か、

追記:「モーニング・ツー」で突如連載を打ち切られた漫画家・中村珍が”排泄”する怨念の短編集『ちんまん』|日刊サイゾー
ちんまん―中村珍短編集 (ニチブンコミックス)
ハタチの原点―仕事、恋愛、家族のこれから (双書Zero)
自由という服従 (光文社新書)
偶々、マイミクさんがミクシィで「中村珍」について書いていて、別のマイミクさんのコメントで又、「中村珍」が登場したので、「中村珍は何者?」と全く知らなかったのですが、グールグル検索したら、彼女の『羣青』連載終了のお知らせ講談社・編集者との長文の経由を知ることが出来ました。
改めて大出版社の余裕のなさ、制度疲労が進んでいるのではないか?と感じました。
この悩ましい問題解決に昨日、読んだ阿部真大の『ハタチの原点』の第九講「息苦しい日本の職場」で引用している数土直記の『自由という服従』の中で分析している「理由なき服従」に起源を持つ会社人(中小企業の場合はいつやめてもまあ、いいかと言うゆるさがあるが、大企業の場合は過剰に反応する)の鈍感さと不安に対する痛ましさに何とも言えない気分になりました。
しかし、『ハタチの原点』は題名・表紙から想像するサブカル本ではなくて、結構、アカデミックな本ですよ。「若者文化」から始まって「遺言信託」に着地する講座形式の流れは見事で全体として首尾一貫している。「若者文化」、「新卒採用」、「純愛」、「合コン」、「再チャレンジ」、「癒し」、「監視社会」、「近代家族」、「遺言信託」の流れになっているのです。

しかし、第10講の最初に話したとおり、これらは戦後社会、つまりは日本型福祉社会の終焉にまつわる話である点で一貫しています。第1講から第4講で扱った新卒採用の問題、第7講で扱った年長フリーターの再チャレンジの問題、第8講で扱った彼らの「癒し」の問題、第9講で扱った職場のIT化のなかでいよいよ窒息する正社員の話は、日本型福祉社会の一側面である企業社会の終焉に関する話です。対して、第5講と第6講で扱った「純愛」志向の高まり、第10講から第12講で扱った介護と相続の問題は、日本型福祉社会のもうひとつの側面である近代家族の終焉に関係する話です。
 こうした話をするなかで、日本型福祉社会の後に来るであろう、ポスト日本型福祉社会のぼんやりとしたイメージがみなさんのなかに少しでも浮かび上がってっきたとしたら、この講義は大成功です。絶望と萎縮の間に、あなたは何を見ましたか?(p181)

 「家的直系家族」/「絶対的核家族」/「修正直系家族」を時代背景に沼正也の「親族・相続法」、そして、我妻栄の「債権法」、そして、社会・労働法を串刺しにして勉強する必要があるかもしれない。それが、僕が朧気に見た何かです。さて、これから銀行に行って「遺言信託」の資料でももらってきますかw。