2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

癖になる

このところ、bk1書評アップすると、癖になりますね、あぶあぶの世界(笑)。しかし、bk1は投稿したらその日にデータが公開されているのですね、『花よりもなほ 逃げることが人生だ』です。映画監督の書き下ろし小説は『小説ワンダフルライフ』(ハヤカ…

揺さぶられて、それぞれが余韻を抱える

監督のオリジナル脚本で、本も良かったのでしょうが、兄の香川照之、弟のオダギリ・ジョーの演技がぎりぎりまで沸点を維持して、一歩でも気を抜くとスクリーンの現場から離れてもはや取り返すことが出来なくなる。そんな集中力を観る側にも要請される、“観る…

燃え上がって、風の旅人第21号

風の旅人21号を購入しました。茂木健一郎さんの『人生の一回性に感情は燃え上がり』は吉本隆明さん宅を訪問して、吉本さんから思想を科学につなぐというやっかいな問題が提起されたらしい。 標題の「感情は燃え上がり」は、リアリティの問題だと思う。科学…

思考停止を許さない日々の暮らし

固有名詞を出してもいいのですが、この介護センターの親病院にオヤジが入院して平成7年なくなっているので、段々と13回忌も近づいてくるし、来週の火曜日には「お盆のおまいり」にお坊さんがお経をあげにいらっしゃる。それで、縁起が悪いので、名前は控…

二つの薔薇がゆれる

leleleさんが薔薇族の伊藤文学にインタビューしている。そう言えば二年程前にブログで伊藤文学/バ〜ラが、散った、真っ赤なバラ達が というエントリーをしていたんだ、ここに書いていたように僕がいた本屋では結構「薔薇族」の定期購読者がいました。それが…

書評で偲ぶ鶴見和子さん

雑誌『思想の科学』のメンバーで鶴見俊輔さんのお姉さん、鶴見和子さんが7月31日にお亡くなりになったのですね、享年88歳です。『南方熊楠』、他に『好奇心と日本人』、『漂白と定住と』、歌集『回生』、『鶴見和子曼陀羅』(全九巻)などがあります。…

一人一人の誇り

僕は藤原新也さんと違って格闘技には詳しくないが、新也さんの怒りは単にボクシングという狭いジャンルの問題でなく、僕たちの暮らしに浸透しているプロセスはどうだっていいんだ、誇りもどうでもいい、勝てば官軍、負ければ賊軍の忌まわしい振る舞いがこの…

知っていますか、ナンバ一番でっせ、パチンコホールではありまへん

テレビで懐かしい名前を耳にしました。ナンバ一番です。昭和39年頃、地元テレビ局の人に連れられて初めてライブハウスを体験しました。今考えるとチンケなものでしたが、地方から転校して大阪の水にはまだあまり慣れていなく、学生の多い北はともかく南は…

画面サイズの謎

やっと日本でも上映公開されることになったイッセー尾形が昭和天皇を演じる『太陽』の監督ソクーロフと前田英樹が対話してソクーロフの映画について徹底して語り尽くしたソクーロフ自身にとっても素晴らしい映画論の一冊になった『ソクーロフとの対話ー魂の…

戦後民主主義の処刑小説?

徹底した戦後民主主義者で高橋哲哉らとともに戦争責任を問う小森陽一のこの『村上春樹論』は徹底した論理の積み重ねで、しかもテクスト『海辺のカフカ』の文脈に沿って深く深く切り開く手際は見事と言って過言でない、そしてその論述の仕方で延々と逃げ場の…